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知識・経験の棚卸

勉強は具体から抽象へ

 勉強に関して思うことがあります。会計士試験を乗り越えて気づいたことですが、勉強は具体から抽象へと進めていくのが最適だなと。*1

初めは具体的な事例を学ぶ

 例えば、会計であれば、初めはひたすら仕訳を切っていく勉強を進めていきます。分かったりわからなかったりしながらも、とりあえずひたすら仕訳を切る。そうすると、何となくの法則性であったり、背景にある理論であったりを肌で感じ取るようになる。それぐらいのタイミングで、会計理論について学んでいく。何となく肌で感じ取っていた法則性や理論の答え合わせにもあるし、何といっても具体例(仕訳)をたくさん知っているので、理論への納得感が強い。このように、具体から抽象へのプロセスを踏むことで、すっと理論が頭に入ってくるし、理論によって今までの仕訳に意味が与えられ、より強く覚えられるようになります。
 同じく英語に関しても、まずはたくさんの英語に触れてみる。単語やフレーズや文章がどのような意味なのかを覚えていく。大量に覚えていく中で、やはり同じように法則性であったり、理論文法が何となくかぎ取れるようになります。そこで英文法を学ぶと、すっと頭に入ってくるものです。自分である程度の文法の想定があるので、それの答え合わせをしながら、違った部分を修正していくだけです。1から学ぶよりよっぽど身につきます。

理論は帰納的なもの

 抽象的な会計理論は、そもそも世に存在している会計慣行を帰納的にに集約してまとめ上げたもの。だから、まとめ上げられない部分に関しての不整合が出てきて、例外的な取り扱いが生まれるものです。これは、英語や科学にも同じことが言えて、英文法だって初めはなかったはずです。英語が話されるようになってしばらくして、それまでの英語の慣行の共通点を見つけ出し、文法にまとめ上げたもの。だから文法で説明できない例外的なものが出てくるのです。科学だって、理論的に見えるけど、これもやっぱり世の中の現象から共通点を抜き出して、仮説を立て実験により検証していくことで科学理論が出来上がってくるもの。その証拠として、天動説みたいに、これまでの理論が全く覆されることだってあります。飛行機の様に、現状の理論では説明できないこともある。世の中の理論は、すべて帰納的に作り上げられたものなのです。
 こういった経緯・歴史を勘案すると、勉強をするときも具体的な事例をたくさん勉強し、そこから帰納的にまとめ上げるように抽象的な理論を学ぶべきだなと思います。いきなり理論を覚えたところで、抽象的過ぎてわけがわからないものです。具体的な事例と結び付けることで、抽象的な理論が理解できるのだと僕は思っています。

まず体で分かること

 そもそも、まず理論を勉強してから具体的な事柄について勉強したところで、頭ではわかっているものの体はよくわからない状態、つまり問題は解けない状態です。それよりも、まず具体的な事柄について勉強し、体ではわかっているが頭ではよくわからない状態にする。そこから自分なりに帰納的に共通点や相違点を把握し、法則性をつかみ出し、こういうことなんだろうという仮説を立ててみる。そこから答え合わせをするように理論を学ぶと、より効率的にかつ効果的に物事を学べるはずです。自分で法則を見つけてやるぞ、という主体的な姿勢で学び、一度自分なりの理論をアウトプットしてみる。そしてそれを検証し、修正するプロセス自体が脳の性質に即した学び方になるので、初めから理論を学ぶよりもよっぽど効果のある学び方になります。


 何かを学ぶときは、まず具体的な事例をたくさん解くこと(=仕訳を切りまくること)から始めてみるのがいいのだなと強く実感した試験勉強でした。

*1:数学など、抽象から具体へ進めていくのがよいと思われるものもあります。